50歳からの帯状疱疹ワクチン
全国に先駆けて、名古屋市では令和2年3月より市内在住の50歳以上の方を対象に帯状疱疹ワクチンの助成が始まりました(名古屋市からの案内はこちらです)。
帯状疱疹という病気、そして予防についての詳しい説明はこちらをご覧ください。
当院では下記2種類のワクチンを採用しております(どちらか1つを選択制です)。
接種をご希望の方には予め、2種類の帯状疱疹ワクチンについて効果の違いや副反応などについてご理解いただいた上で完全予約制にて対応させていただきます。
具体的にはA:不活化ワクチンの「シングリックス」か、B:弱毒化生ワクチンの「ビケン」から選択していただくこととなります。両者の違いを予防効果、接種回数、価格、副反応の観点から説明します。
① 予防効果
ワクチンを接種することで、帯状疱疹の発症率を下げ、重症化を防ぎ、帯状疱疹後神経痛(PHN)を予防する効果が期待できます。予防効果に関してはシングリックスがビケンを上回ります。
ビケンの発症予防効果は約50%程度とされ、帯状疱疹後神経痛(PHN)の発症を3分の1に抑えると言われています。
一方、シングリックスの発症予防効果は50歳以上の人で約97%、70歳以上の人でも90%程度と報告されています。
帯状疱疹後神経痛(PHN)に関しても88%と高い予防効果が示されています。
また予防効果はビケンは5年程度、シングリックスは9年以上持続すると報告されており、免疫持続の面でもシングリックスが優れています。
※ビケンは生ワクチンといって弱毒化されてはいるものの病原性をわずかに残すため、免疫不全状態の方やステロイドなどの薬を内服中の方は接種していただくことができません。
② 価格、接種回数
価格、接種回数に関してはビケンの方がコストを抑えることができ、接種回数も少ないです。
ビケンは接種回数が1回で、値段が4200円(助成金適用後)となります。
シングリックスは接種回数が2回で、値段が1回の接種あたり10800円、2回で計21600円(助成金適用後)となります。1回目と2回目の接種間隔は2ヶ月で、遅くとも6ヶ月以内に接種する必要があります。
③ 副反応
ビケンよりも、シングリックスの方が打った部分の痛みや腫れが強く、発熱や倦怠感などの全身症状も出現しやすいとされています。副反応は3日から1週間以内にはおさまる一時的な症状ですが、シングリックスを注射される場合は接種当日~数日程度は注意してお過ごしください。
☆上記①~③をまとめると、
しっかりと長期的な予防免疫効果を期待したい方はシングリックスを、
経済的な面を優先させたい、副反応に懸念がある方はビケンを、
を検討していただけるとよいかと考えます。