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よくある泌尿器の病気について

1.膀胱炎

膀胱炎とは

膀胱炎は細菌が原因で膀胱内の粘膜に炎症を起こし、排尿時痛や頻尿、尿の濁りなどが見られます。膀胱炎は圧倒的に女性が多く、これは肛門と尿道との距離が近く、また尿道も男性に比べると短いためとされています。10歳代後半から更年期以降まで幅広い年齢層で発症しますが、特に20~30代の生殖活動期の女性に多いのが特徴とされています。

膀胱炎の症状

膀胱炎では排尿時の痛みや頻尿、尿の濁りなどが特徴的な症状です。その他にも尿に血が混じったり、残尿感があったりすることがあります。膀胱炎を治療せずに放置すると腎盂腎炎へ波及し、高熱がでたり腰背部の痛み、食事がとれないなど全身状態が悪化する場合があります。

膀胱炎の検査と診断

膀胱炎では自覚症状に加えて、尿検査を行います。この尿検査で一定数以上の白血球や細菌が見つかれば、膀胱炎と診断されます。さらに膀胱炎を繰り返す場合や一般的な抗菌薬を内服しても症状が改善しない場合は、膀胱炎の原因となる細菌の種類を調べるために尿細菌培養検査を行うこともあります。

膀胱炎の治療

膀胱炎の治療では抗菌薬の内服を行います。数日で症状は改善することもありますが、膀胱内の細菌が死滅させるために医師の指示通り薬を飲み続ける必要があります。

2.前立腺肥大症

そもそも前立腺とは

前立腺は男性特有の臓器です。前立腺は尿道を取り囲むように膀胱の出口付近に存在し、前前立腺液といわれる精液の約3分の1を作り、精子に栄養を与えたり、精子を保護したりしています。

前立腺肥大症とは

前立腺肥大症では前立腺が大きくなります。前立腺はクルミ大の大きさと言われていますが、前立腺肥大症ではその大きさが卵やみかん程度の大きさになることもあります。前立腺が肥大すると尿道が圧迫されて、排尿に関わる様々なトラブルが生じます。前立腺肥大症の頻度は年齢とともに増加し、特に50歳代から頻度が増加します。50歳代男性では20~30%、80歳以上になると80~90%が前立腺肥大症になると言われています。

前立腺肥大症の原因

前立腺肥大症の原因は明らかではありませんが、男性ホルモンが関与していることは間違いないとされています。中高年になると男性ホルモンなどの性ホルモン環境が変化するため、前立腺肥大症が生じると考えられています。

前立腺肥大症の症状

前立腺肥大症の症状は排尿困難、蓄尿症状、排尿後症状がみられます。

1.排尿困難

排尿困難は、尿が出にくい症状の総称です。下記の症状がよくある排尿困難の症状です。

  • 尿の勢いが弱くなった
  • 尿を出したくでもなかなか出ない
  • 尿が分かれて出る
  • 尿が途切れ途切れ出る
  • 力まないと尿が出ない

2.蓄尿症状

前立腺肥大症では下記のような畜尿に関する症状もよく見られます。

  • 尿の回数が多くなる(頻尿)
  • 急に我慢できない強い尿意が起こる(尿意切迫感)

また尿意切迫感があり、頻尿を伴うもの過活動膀胱といいますが、前立腺肥大症の患者さんの50~70%が過活動膀胱を合併します。過活動膀胱があると畜尿が不十分な状態で、すぐに排尿したくなってトイレに行く、つまり頻尿になります(頻尿を起こす原因疾患は他にも糖尿病など多くあるため各種検査などで鑑別が必要です)。

3.排尿後症状

前立腺肥大症では排尿後すっきりしない残尿感を訴えることがあります。また、尿が終わって、下着をつけた後に尿が漏れることもあります。

前立腺肥大症の検査と診断

前立腺肥大症の検査としては、自覚症状の評価、尿検査、血清PSA(前立腺特異抗原)測定、前立腺エコー検査などを行います(当院では前立腺がん検診にも対応しています)。また症例によって排尿日誌、尿流測定、残尿測定、尿流動態検査、上部尿路エコー検査などを行うこともあります(必要な場合は泌尿器科専門医をご紹介させていただきます)。

前立腺肥大症の治療

前立腺肥大症の治療は大きく保存治療、薬物治療、手術治療の3つがあります。症状が軽症な方にはまず一般的な下記の内服薬を処方いたします。

前立腺肥大症の薬物療法
α1遮断薬 前立腺や尿道の筋肉をリラックスさせ尿を出やすくさせます。
PED5阻害剤 前立腺や膀胱などの血流や酸素供給量が増加し、下部尿路症状を改善させます。
5α還元酵素阻害薬 5α-還元酵素を阻害すると血中テストステロンを低下させずに前立腺そのものを縮小させます。
生薬 エビプロスタット:植物エキス製剤
漢方薬 八味地黄丸(ジオウ、サンシュ、サンヤクなどのエキス末など)

症状の改善が乏しい場合や尿閉、肉眼的血尿、腎機能障害、尿路感染などの前立腺肥大症による合併症などを考える場合は泌尿器科専門医をご紹介させていただきます。

3.夜間頻尿

夜間頻尿とは

夜間頻尿は夜間排尿のために1回以上起きなければならない状態で、高齢者に多いとされています。

夜間頻尿の原因

1.多尿・夜間多尿

1日の尿量が体重当たり40mlを超えると多尿と診断します。また、1日中多尿でなくても、夜間の尿量が多くなったことで、一日の尿量の33%(若年者では20%)を越えれば夜間多尿と診断します。多尿の主な原因は糖尿病や尿崩症、水分摂取過多などです。一方で、夜間多尿の主な原因は加齢や水分摂取過多、薬剤性などがあります。

2.膀胱畜尿障害

膀胱にためられる尿の量が減ると夜間頻尿になることがあります。前立腺肥大症や過活動膀胱、間質性膀胱炎などがその原因となります。

3.睡眠障害

睡眠障害によって夜間頻尿になることがあります。具体的には不眠症やうつ病、睡眠時無呼吸症候群(SAS)などが原因となります(当院ではご自宅でいびき(睡眠時無呼吸症候群)を定量的に診断可能な簡易検査にも対応しています。詳しくはこちらをご覧ください)

夜間頻尿の検査と診断

問診や夜間頻尿の具体的な自覚症状に加えて、尿検査を行います(重症な糖尿病状態でも頻尿が出現するため尿糖の有無の確認などを行います)。

夜間頻尿の治療

夜間頻尿の原因が分かれば、その原因に応じた治療を行います。例えば過活動膀胱が原因であれば過活動膀胱への内服治療(抗コリン薬)が有効ですし、不眠症が原因であれば適切な睡眠薬を投与することで夜間頻尿が改善することが期待できます。また睡眠時無呼吸症候群の可能性を考える場合には簡易検査を行った上でCPAP治療を提案させていただきます。

4.過活動膀胱

過活動膀胱とは

過活動膀胱は尿意切迫感(急に我慢できない強い尿意が起こる)が必須症状で、通常は頻尿(尿の回数が多い)や夜間頻尿(寝た後に何度もトイレのために起きる)を伴います。さらに、切迫性尿失禁(急に強い尿意が起こりトイレに間に合わず尿が漏れ出る)を伴う場合もあります。日本では40歳以上の男女の約14%、7人に1人の方が過活動膀胱に悩まされています。特に高齢の女性に多い病気です。

過活動膀胱の原因

過活動膀胱の原因は様々で脳血管障害やパーキンソン病、認知症などの脳の疾患や、脊髄損傷や多発性硬化症などの脊髄疾患が原因となります。また婦人科的手術や帝王切開歴、下腹部の消化管や泌尿器科的手術をされた既往がある方は過活動膀胱になりやすいといわれています。

過活動膀胱の検査と診断

過活動膀胱では自覚症状の評価が最も重要です。尿意切迫感の症状があれば過活動膀胱と診断されることが多いですが、頻尿や切迫性尿失禁があればその可能性は上がります。この自覚症状に加えて、過活動膀胱の診断や重症度を評価するために「過活動膀胱症状質問票」を用いることがあります。また、尿検査やエコー検査などの検査は、尿意切迫感を示す他の膀疾患を除外するために行われます。

過活動膀胱の治療

過活動膀胱に対しては、行動療法や薬物療法が行われます。行動療法では日常生活において過活動膀胱の原因となりうる習慣を改善し、骨盤底筋のトレーニングとして骨盤底筋体操で症状緩和を図ります。また、薬物療法では抗コリン薬やβ3受容体作動薬などを用いて尿意切迫感の改善を図ります。難治性の過活動膀胱に方には電気刺激治療やボツリヌス毒素の膀胱壁注入治療、仙骨刺激治療などを行う施設もありますので、泌尿器科専門医をご紹介させていただきます。

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