運動療法のコツ
糖尿病と運動:無理なく続けるコツ
糖尿病の管理には、食事と同じくらい運動が大切です。でも、「運動は苦手…」「忙しくて時間がない…」という方も多いですよね。実は、ハードな運動をする必要はなく、生活の中で少しずつ体を動かすことが大切なのです。
糖尿病の方におすすめの運動と、無理なく続けるためのポイントを紹介します。
1. 運動のメリット
運動をすると、こんな良いことがあります。
✅ 血糖値が下がりやすくなる(筋肉が糖を消費するため)
✅ インスリンの働きが良くなる(血糖コントロールがしやすくなる)
✅ 体重管理がしやすくなる(肥満は血糖値を上げやすい)
✅ 血圧やコレステロールの改善(心臓病や脳卒中のリスクを減らせる)
✅ ストレス発散・気分がすっきりする
運動を習慣にすることで、糖尿病の進行を防ぎ、健康的な体を維持することができます。
2. どんな運動をすればいいの?
糖尿病の方におすすめの運動は、「有酸素運動」と「筋力トレーニング」の組み合わせです。
① 有酸素運動(軽めの運動を長く続ける)
血糖値を下げやすく、脂肪を燃やす効果があります。
▶ おすすめの運動
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ウォーキング(1日30分が目安)
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自転車(無理のない速度で30分)
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水中ウォーキング(膝や腰にやさしい)
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軽いジョギング(ゆっくり走るだけでもOK)
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ラジオ体操(全身をバランスよく動かせる)
🚶 ポイント: 「30分もできない…」という方は、10分×3回でもOK! 食後に10分歩くだけでも、血糖値が上がりにくくなります。
② 筋力トレーニング(筋肉をつけて血糖値を安定させる)
筋肉を増やすと、血糖値を下げる力がアップします。
▶ おすすめの運動
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スクワット(足の筋肉を鍛える)
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かかと上げ(ふくらはぎを鍛える)
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椅子に座って立ち上がる動作を繰り返す
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ゴムバンドやペットボトルを使った軽い筋トレ
💪 ポイント: 最初は無理をせず、「少しキツイ」と感じるくらいでOK。週2~3回、1回10分程度で続けましょう。
3. 運動を続けるコツ
「運動が苦手…」「なかなか続かない…」という方のために、無理なく続けるコツを紹介します。
✅ 「ながら運動」を取り入れる
テレビを見ながらスクワット、歯磨きしながらかかと上げ、通勤時に1駅分歩くなど、日常生活の中で自然に動くことがポイント。
✅ 家の中でもできる運動をする
外に出るのが面倒な日は、その場で足踏み、ラジオ体操、スクワットなど、家の中でできる運動をしましょう。
✅ 目標を低く設定する
「毎日30分歩く」と決めると続かないことも。「まずは週3回」「1回10分」など、小さな目標から始めると続けやすくなります。
✅ 楽しく運動する
音楽を聴きながらウォーキングをしたり、友達や家族と一緒に動いたりすると、楽しく続けられます。
✅ 食後30分以内に軽い運動をする
食後の血糖値上昇を抑えるために、食後30分以内に10分程度歩くのがおすすめです。
4. 運動を避けたほうがいい場合
以下のような症状がある場合は、無理に運動せず、医師に相談してから始めましょう。
❌ 血糖値が極端に高い(250mg/dL以上)または低い(70mg/dL未満)
❌ 足のしびれや痛みが強い
❌ 心臓や腎臓の病気がある
❌ 体調がすぐれない、風邪をひいている
まとめ
糖尿病の運動は、無理なく、楽しみながら続けることが大切です。ハードな運動でなくても、毎日のウォーキングや軽い筋トレを取り入れるだけでも十分な効果があります。