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よくある皮膚の病気について

1.蕁麻疹

蕁麻疹とは

皮膚の一部が突然に赤く盛り上がり(膨疹)、24時間以内に跡を残さず消えてしまう病気です。一つ一つの膨疹は数十分から数時間以内に消えるのが普通ですが、半日から1日くらいまで続くものもあります。

蕁麻疹の原因

蕁麻疹の原因はアレルギー性のものと、非アレルギー性のものに分けることができます。海老やカニ、蕎麦、果物などはアレルギー性蕁麻疹の原因になることも多く、これら食品に含まれるアレルゲンがIgEという抗体を介して、皮膚にある細胞(マスト細胞)を活性化することによって起こります。特定の食品を食べると必ず蕁麻疹が現れる場合は、アレルギー性蕁麻疹の可能性があります。 一方で、非アレルギー性の蕁麻疹では、マスト細胞がアレルギー性蕁麻疹とは異なる仕組みで活性化されることによって起こります。青魚(サバやアジ)、肉類などで起こる蕁麻疹では、しばしば食品中に含まれるヒスタミン様物質が直接血管に働いたり、ヒスタミンを遊離させやすい成分が含まれたりすることによって起こります。

蕁麻疹の症状

蕁麻疹では痒みを伴うことが多いとされ、一つ一つの膨疹は24時間以内に消失する。ただし、症状が激しい場合には次々と新しい膨疹が現れ、常に膨疹があるように見えることもあります。

蕁麻疹の検査と診断

アレルギー性蕁麻疹は血液検査または皮膚を用いた検査を行います。当院では血液検査にてアレルギー検査を施行させていただきます。最終的には臨床症状やそれまでの経過などを加味して診断します。また、アレルギー性でなく、機械的圧迫や擦過や寒冷などの物理的な刺激が原因となって起こる蕁麻疹では、それぞれ誘因となる刺激を加えて蕁麻疹を誘発することもあります。ただし、あまり詳しい検査を行っても原因がはっきりしないこともあります。

蕁麻疹の治療

蕁麻疹の治療は原因除去し、薬物治療を行います。蕁麻疹はヒスタミンの作用を抑えることが重要ですので、ヒスタミンの作用を抑えるために、抗ヒスタミン薬または抗ヒスタミン作用のある抗アレルギー薬を内服していただきます。症状の強い方には少量のステロイドを含有した内服薬を短期間のみ処方する場合がございます。またご希望のある方には当日、静脈注射の治療を選択させていただきます(眠たくなる場合がありますので投与後のお車の運転はお控えください)。

2.帯状疱疹

帯状疱疹とは

帯状疱疹とは、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。初めてこの水痘・帯状疱疹ウイルスに感染したときは、水痘(水ぼうそう)として発症します。この水痘が治癒した後もウイルスは体内の神経節に潜伏感染しています。 その後、加齢やストレス、過労などが原因となって免疫力が低下すると、神経節に潜伏していたウイルスが再活性化し、痛みを伴う赤い発疹を生じます。これを帯状疱疹と言います。帯状疱疹は通常一度しか発症しませんが、免疫が低下している場合には再発することもあります。

帯状疱疹の症状

帯状疱疹では約数日~10日間はピリピリする痛みがあり、その後、体の左右どちらか一方の神経の走行に沿って、帯状に赤い発疹や水ぶくれができます。この水ぶくれは6~8日後に破れてびらんまたは潰瘍になります。約2週間でかさぶたとなり、約3週間でかさぶたが取れて治癒します。 またその他にも、帯状疱疹が顔にできると、角膜炎や結膜炎を引き起こしたり、まれに耳鳴りや難聴、顔面神経麻痺などの合併症が出現することがあります。また、帯状疱疹が腰や下腹部にできると、便秘になったり、尿が出にくくなったりすることもあります。

帯状疱疹の検査と診断

帯状疱疹はその臨床症状が特徴的であるため視診にて臨床診断を行います。また当院では水疱が形成された部位を擦過することで当日に迅速にウィルスの有無を診断するデルマクイック®検査も可能です

帯状疱疹の治療

帯状疱疹の治療は抗ウイルス薬(アメナメビル、アシクロビル、バラシクロビル)の全身投与を早期に開始することが重要です。治療開始が早いほど、帯状疱疹後神経痛などの後遺症の発症を抑制できます。全身に水ぶくれが出たり、高熱を伴ったりした重症な帯状疱疹は、入院して抗ウイルス薬(アシクロビルやビダラビン)の点滴静注が必要になります。局所的には初期に非ステロイド抗炎症薬、水ぶくれができた後は細菌二次感染を防ぐために化膿止めの外用薬、潰瘍形成したものでは潰瘍治療薬を塗布します。

帯状疱疹の予防

当院では帯状疱疹の予防接種にも対応しております(2種類のワクチンがありどちらを選択するかは事前に医師と相談して決めさせていただきます)。

50歳からの帯状疱疹ワクチン

令和2年3月より名古屋市在住の50歳以上の方を対象に帯状疱疹ワクチンの半額助成が始まりました(名古屋市からの案内はこちらです)。

帯状疱疹という病気、そして予防についての詳しい説明はこちらをご覧ください。

当院では下記2種類のワクチンを採用しております(どちらか1つを選択制です)。

接種をご希望の方には予め、2種類の帯状疱疹ワクチンについて効果の違いや副反応などについてご説明させていただいた上で完全予約制にて対応させていただきます。

ご希望の方はお気軽にお問い合わせください。

3.アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎はかゆみのある湿疹が、良くなったり悪くなったりを繰り返す病気です。アトピー性皮膚炎では皮膚のバリア機能が低下しているため、外からの様々な刺激や乾燥などに弱くなります。また、アトピー性皮膚炎ではかゆみを感じる神経が皮膚の表面まで伸び、かゆみを感じやすい状態となっています。かゆみがあるから掻くことを繰り返すことで、さらにバリア機能が低下するという悪循環に陥ってしまいます。

アトピー性皮膚炎を悪化させるもの

アトピー性皮膚炎を悪化させるものは、以下のような様々なものが挙げられます。また、これらが重なり合って起こることが多いため、治療の際にはこれら原因を除去することも重要となります。

  • ダニ
  • カビ
  • ペット
  • ストレス

アトピー性皮膚炎の検査と診断

アトピー性皮膚炎では血液検査にて、特異的IgE抗体検査やTARC値を測定することがあります。特異的IgE抗体検査を行うことにより、ダニやカビ、ペットなど、アレルゲンがどのように関わっているかを判定することができます。また、TARC値からはアトピー性皮膚炎の重症度を判定することができます。このTARC値は、湿疹が悪化すると高くなり、良くなると低くなるという特徴があります。

アトピー性皮膚炎の診断には、国内外で様々な診断基準が用いられています。その一例として、英国のガイドラインや世界的な疫学研究で使用されているUKWP(The U.K. Working Party)の診断基準を紹介します。

UKWPの診断基準

大基準(1)と3項目以上の小基準(2)を満たすものをアトピー性皮膚炎と診断する。 (1) 皮膚がかゆい状態である。または、両親から子どもが皮膚を引っかいたり、こすったりしているという報告がある。 (2)

  1. これまでに肘の内側、膝の裏、足首の前、首のまわり(9歳以下は頬を含む)のどこかに皮膚のかゆい状態がでたことがある。
  2. 喘息や花粉症の既往がある。または、一等親以内に喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の既往がある。
  3. 過去12か月の間に全身の皮膚乾燥の既往がある。
  4. 関節の内側の湿疹(3歳以下は頬・おでこ・四肢外側を含む)が確認できる。
  5. 1歳以下で発症している(3歳以下にこの基準を使わない)。

アトピー性皮膚炎の治療

アトピー性皮膚炎の治療はスキンケア、薬物療法、悪化要因の対策の3つが治療の基本となります。正しい治療を行うことで症状をコントロールできれば、湿疹などの症状が出ない状態にすることができます。

具体的な治療内容としては、保湿剤外用によるスキンケアを行い、かゆみが強い場合には痒みに対して抗ヒスタミン薬の内服を補助的に用いることもあります。また、炎症を起こしている湿疹に対してはステロイド外用薬やタクロリムス軟膏による外用薬を投与します。また最近ではJAK阻害薬といわれる新規作用機序の外用薬も発売され、アトピー性皮膚炎をお持ちになられる患者さんのQOL向上の一助となっています。

4.水虫(足白癬)

水虫(足白癬)とは

水虫は俗称で、正式には足白癬(あしはくせん)と言います。この足白癬は白癬菌という真菌(カビ)が足の皮膚の角質層に入り込み、そこで繁殖することによって起きる病気です。白癬菌は高温多湿の環境で活発に繁殖しますので、特に夏になると症状が悪化するとされています。そのため、日本では足白癬が5月に増え始め、5人に1人は足白癬ががあるとされています。また、足白癬は年齢が上がるにつれて患者数は増えるとされています。

水虫(足白癬)の分類とその症状

水虫(足白癬)は汗疱型、趾間型、角質増殖型の3つに分類でき、その症状が少しずつ異なります。汗疱型では足の裏に小さな水膨れを生じ、水膨れが破れると皮が剥けます。趾間型では足の指の間の皮が剥けたり、白くふやけます。角質増殖型ではヒビや、アカギレのように足の裏全体が硬くなります。小水疱型や趾間型は気候が暖かくなると症状が現れ、涼しくなると自然に症状が治まります。一方で、角質増殖型は季節変動はなく、むしろ冬にひび割れて痛いこともあります。

水虫(足白癬)の検査と診断

白癬菌は皮膚の表面に存在する角層や毛、爪に寄生していることが多いので、足白癬がある部位を切り取って、顕微鏡で観察します。苛性カリ(KOH)を付け、顕微鏡で観察すると、角層や爪は溶けて白癬菌だけ見えるようになります。白癬菌がいれば足白癬の診断となります。

水虫(足白癬)の治療

足白癬には抗真菌作用を有する軟膏を用います。そして、その軟膏を自覚症状がない部分も含め、指の間から足の裏全体に塗り、最低4週間毎日治療を続ける必要があります(外観上は改善しても長期間の外用が必要な場合があります)。また角質増殖型では角質が厚いため、軟膏だけでなく内服薬を用いる必要があります。

当院でのフットケア

当院では糖尿病患者さんを中心にフットケアを行っております。白癬に伴う爪肥厚や変形などがある場合は外用薬など処方させていただきます(外科的処置が必要な場合は形成外科や皮膚科などをご紹介させていただきます)。どうぞお気軽にご相談ください(フットケア・インスリン外来のご案内はこちらです)。

5.円形脱毛症

円形脱毛症とは

円形脱毛症の基本は円形に脱毛しますが、脱毛部位は一ヵ所と限らず多発することもあります。ときに頭全体の毛が抜け、さらに全身の毛が抜けることもあります。円形脱毛症の頻度は人口の1~2%と推測されています。また、円形脱毛症はどの年齢層にもいますが、患者さんの25%は15歳以下で始まり、男女差はありません。

円形脱毛症の原因

円形脱毛症の原因にストレスはありますが、多くの人はストレス関係なく始まっています。現在は成長期の毛包がリンパ球の攻撃を受けて壊される「自己免疫病」だと考えられていますが真相は分かっていません。また、患者さんの約20%に家族内発生、つまり血縁の家族にも円形脱毛症があります。このことから円形脱毛症になりやすい体質というのが存在するのかもしれません。

円形脱毛症の治療

円形脱毛症の治療は罹病期間と脱毛面積に応じて治療方法を選択します。脱毛の範囲が狭い場合は、ステロイドや塩化カルプロニウムなどの外用療法やグリチルリチン、セファランチンの内服療法で経過をみます。狭い範囲でも長引く場合は、脱毛部にステロイドを局所注射する治療法や雪状炭酸圧抵療法を行うことがあります。急速に拡大する場合はステロイドを内服すると難治の場合もかなり効くことがあります。脱毛部位が広く、6ヶ月以上も続いている場合は、局所免疫療法が適応となります。有効率は60%以上で、現在最も有効な円形脱毛症の治療法です。ただし、これらの薬剤には副作用があり、薬品の濃度や塗り方が大切ですので、皮膚科専門医にしてもらうべき治療となります。

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